【気分障害について】


気分障害とは…

 

気分障害。あまり聞きなれない言葉だと思いますが、

「うつ病」と言えば皆さんご存知ではないでしょうか。

気分障害とは、文字通り気分が沈んだり、または逆にハイに

なったりすることを指します。

感情の起伏に関する障害の総称です。

最近ではうつ病に関するCMがテレビで流れるなど、うつ病の認知が高まりました。最近の研究によると、人口の1割が一生のうちに一度はうつ病になるという報告があるほどです。気分障害の中のうつ病は、ストレスに長い間さらされれば誰にでもなる可能性があり「心の風邪」などと言われることがあります。しかし実際は‟風邪”よりも、もう少し重い病気と考えた方が良いでしょう。それは、放置すれば命に関わることがあるからです。しかしきちんとしたケアを行えば、すっかり良くなります。うつ病をよく理解せず、「気がゆるんいるだけ」とか「なまけぐせ」などという人がいますが、決してそうではなく、ケアを必要とする‟不調”であることをご家族や周りの方にも理解していただきたいです。

 

気分障害は大きく2つに分かれます…

 

双極性障害(躁うつ病)             ・双極性Ⅰ型障害 … 入院が必要なほどの強い躁状態

                   ・双極性Ⅱ型障害 … 躁状態が軽度

                   ・分循環性障害 … 躁もうつも軽度だが2年以上続いている

 

うつ病性障害(うつ症状だけ)   ・大うつ病性障害 … 強いうつ症状

                  ・気分変調障害 … うつ状態は軽いが、2年以上続いている

                  ・小うつ病性障害 … 軽いうつ症状

気分障害(うつ病)の症状

 

うつ病と聞くと気持ちだけが落ち込んでしまう病気かと思ってしまいますが、、実際には体全体の調子が悪くなるものです。一日中嫌な気分が続き、朝起きた時が一番ひどく、食欲もなくなるので体重も減っていきます。夜も寝つきが悪かったり、夜中に何度も目が覚めたりします。朝も暗いうちから目が覚めてしまうことが多いようです。また、中には朝調子が良いのに午後調子が悪いなど日内変動もあります。いつもなら簡単に決められることも迷ってしまい、なかなか決められなくなります。本を読んでもなかなか頭に入りません。そして仕事も家事も自分の好きな趣味も、とにかく何かをしようという意欲が湧かなくなります。やり場のない苦しみに一日中苦しんでしまいます。何をしても気持ちが落ち着かないので、立ったり座ったり、うろうろと落ち着かなくなることも。また、何を考えても悪い方にか考えられず、自分はダメな人間だとしか思えなくなります。もちろんどんな人でもヒヒの生活の中でショックを受けることや、気分が沈むことはあるはず。しかし、こういう症状が2週間以上続くとなると、普通ではないとわかっていただけるでしょう。

気分障害の原因

 

気分障害の原因にはいろいろな要素が考えられますが、主なものとしてあげられるのはストレスです。持続的なストレスにさらされたら、ほとんどの人がうつ病になると考えられますが、生まれ育った環境などによって、ストレスに対する強弱には個人差があります。また、脳の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリンなどの減少がうつ病に深く関わっているのではないかとされていますが、このセロトニンなどが減少してしまう原因を調べていくと、やはり何らかのストレスにあるようです。

また、うつ病になりやすい性格傾向というのもあります。一般的には几帳面で、凝り性、強い責任感を持った人が責任の重さに潰されることによりうつ病になりやすいことが分かっています。また、近親者の死や離別、リストラなど大きなストレスや、子育て介護など、長い期間にわたってやってきてそれをやり終えたことによる虚脱感から起こったり、色々な要因が絡み合えば、誰もが気分障害になりうることを知っていただきたいと思います。

🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂 気分障害ケアの5原則 🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂🍂

 

 

1. できるだけ早い時期に休息を取りましょう。

気分障害はエネルギーの低下によるものです。

可能であれば、1か月を目安に仕事などの忙しい生活を離れ、

心と体、脳を休めましょう。

 

 

2. 気分障害は必ず完治します。

個人差はありますが、きちんとケアを続ければ3ヵ月から6ヵ月で治ります。

ケアの期間中は、

心の中に溜め込んでいたものが感情として外へ出てきますので、

苦しくなる時もありますが、一時的なものですので安心してください。

 

 

3. お薬を飲んでいる場合は、

自分の判断で勝手に中止したり減量したりしてはいけません。

薬剤の服用を急にやめると、思わぬ副作用が出ることがあります。

医師の指示に従って減らしていってください。

 

 

4. ケアの期間中は、

自己破壊的な行動(自傷など)をしないことを約束してください。

 

 

5. ケア期間中でも症状には波があり、一進一退します。

改善の過程では、不規則な好調、不調の波があります。

特に治りかけの時に、一時的な不調の波がくることが多いのを覚えておきましょう。

 

 

 

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